
私が下肢静脈瘤の手術を受けたのは2014年12月のこと。
その何ヶ月か前に、偶然TV番組で下肢静脈瘤の特集番組を見て、この病名を知った。
そして症例が私と似ていることに気づいた。番組では手術の効果を紹介し、日帰り手術も可能であるという。
当時から足のだるさとふくらはぎの痛みに悩んでいた。少し長く立っていると痛くなる。下肢静脈瘤のことをさらに調べてみた。ネットで調べ、本も買ったが今それが見当たらない。(探して、見つけたらここで知らせます。)家内に下肢静脈瘤症例の写真を見せると、やはり私の症状がよく似ているという。
下肢静脈瘤専門の医院をネットで調べ、そのうちの一つへ出向いた。ずいぶんお若い先生という印象だった。院内には手術前と手術後の写真が多く閲覧でき、手術歴豊富な先生であることもよくわかった。院内に掲示してある写真と比べると私のコブはさほどひどくはないようにも思えてきた。
問診と超音波検査(エコー検査)があり下肢静脈瘤の疑いが濃いというような診断であった。
良性の病気であり、治療をしなくても深刻な事態にはならないだろうが、「手術はしたほうが良い」。そして 「手術をすれば痛みは軽減するはず」であろうとのお話でもあった。
私は施術を決断しお願いした。
手術が行われる日まで(たしか1週間ぐらいだったかと思う)圧迫療法を行うという。
これは、かなり着圧力の強い弾性ストッキングを履く療法だ。
専門の看護師さんが着脱方法を指導してくれた。教わらなければひとりで身に着けることはできないような強い弾力性がある。足首のあたりが一番強い圧でふくらはぎから上に向かって少しずつその圧は低くなっていく。
教わった通りにやっていくと着脱はなんとかできるようになった。締め付けられるのも最初はつらいような気がしたが、この圧力が足の痛み対策に効果があるような気もしてきた。
が、困ったことが起きた。右足の外反母趾の部分が痛くてどうにも我慢できない。弾性ストッキングのつま先部分を切り落としてしまおうかとも考えたが、とどまった。
何とか我慢して履き続けた。
下肢静脈瘤の手術にもいくつかの方法があるようだが、私が受けたのはカテーテルを使って逆流している静脈をふさぐという治療法だった。
血管内治療あるいは高周波治療などというらしい。直径2mmのカテーテルを足に入れて高周波で静脈をふさぐというやり方だ。逆流している静脈は不必要なのでふさいでしまうということである。
高周波治療では処置できない難しい症状などには、静脈自体を切除するスタブ・アバルジョン法や、静脈を引き抜いて逆流を止めるストリッピング手術法などがあるという。
私の場合は高周波治療ですんだ。30分ぐらいだったろうか。麻酔をかけての手術だから痛みは感じない。
術後しばらく休んでその日にタクシーで帰宅した。翌日は休んで翌々日から仕事を再開した。
手術後の経過を診てもらうために1週間後、1か月後、6か月後にその医院へ出向いた。経過は良好とのことであった。
しかし、ふくらはぎの痛みは治まらなかった。立ち仕事を続けている所為だろうか。
静脈の内側にはある種の「弁」がある。(静脈弁)
血液が下から上へ登っていくときは弁は開く。逆流しようとすると閉じる。ゆえに「逆流防止弁」という。
この弁が何かの理由で壊れると、必要のない血液が足に戻ってしまう。すると静脈は膨らんで皮膚を持ち上げ瘤(コブ)のような状態となる。
これが「下肢静脈瘤」というわけだ。
つまり下肢静脈瘤は「静脈の逆流防止弁」が機能しなくなることでおこるという。
溜まった血液は酸素や栄養が不足しているので足のダルさやむくみ、こむら返りなどを引き起こすのだという。
瘤(コブ)が破裂するようなことはまずないが、
慢性化すれば新陳代謝の低下、皮膚の黒ずみ、湿疹ひいては潰瘍(かいよう)ができることもある。
下肢静脈瘤の症状は多くがふくらはぎに起こる。夕刻になると症状があらわれる、あるいはひどくなるとよく聞くが、その時刻になると足に血液がたまってくるということなのだろう。
下肢静脈瘤を疑う症状としては次のようなものがある。
などなど
私の場合も、ふくらはぎのだるさ、むくみが酷くてクリニックへ行く気になったのだ。
ただ一般に言われていることだが、
下肢静脈瘤によって強く痛むことはないという。
「血栓性静脈炎」という静脈瘤に血栓ができると強い痛みを感じるらしい。これは10日程度で痛みは収まるということだ。
下肢静脈瘤で手術が必要なのは伏在型(ふくざいがた)だといわれる。
側枝型、網目状、くもの巣状の3種は静脈瘤と呼ぶものの、瘤(コブ)状ではなく比較的軽症で手術はしないことが多いそうだ。
私はふくらはぎに結構痛みがあった。今にして思えば下肢静脈瘤は軽症で、他の神経障害があったのかもしれない。